書斎


「あれ?

鍵が掛かってる。

パパ、ちょっと開けてよ!」


「皐、帰ってきたのか?」

少し力のない声。


「お父さんの力になってくれる人をつれてきたの。」

睦月が言う。


「いや、良いんだ。

もうすぐしたら解決する。」


「…!?


皐、睦月。

ちょっとここから離れてくれ。」

幸大はアタッシュケースを開けて何かを取りだし鍵穴に差し込む。

「でも…」

「男だけで話したいことがあるんだ。」


「皐、行こう?」


「うん。」






ガチャッ、

幸大は書斎に入る。


「な!?」

ババッ、

机の上の何かを隠した。

そして、

「皐、睦月。

書斎から出なさい!」


「その二人は書斎から離れたよ。」


「え?」

男が振り返る。


「な!?」

幸大が驚く。


「し、社ちょ…ムグッ!」

幸大が口を抑える。




「社長、何でここに…」

「皐と睦月から最近父親が何者かに脅されてると聞かされたから。

まさか、社長代理の甲崎さんのこととは思わなかったもんで。

皐と睦月さんの父親ってことも知りませんでした。」

「…。」

「まさか、自殺なんか考えてませんよね?」

「な!?

どうして…」

「そんな気がしました。


脅迫の件、御話願えませんか?」