放課後


「でも、お金を出したらって言われてるのにお父さんは何でお金出さないのかな?」

皐が帰り道で言う。

「簡単に出すと付け上がるから?」

睦月が言う。

「会社がもうけても結局は給料分しか手元には来ない。

例えば年収が10億の奴だって月に8000万ちょい。


その脅迫してきた奴が10億よこせって言って10億用意するには一年間かかるだろ?


例え会社が一兆円儲けてようとそれは変わらない。

会社の金を勝手に使うわけにもいかない。


まぁ、こんな感じだろ。」

「幸大君ってスゴいね。」

皐が言う。

「幸大君は自分で会社持ってるってことは給料とかも入るんだよね?」

「ああ。

でなきゃ学園の秘密基地をあそこまで改造はできねぇよ。」

「アレだよ、私たちの家。」


「高級住宅街にあるだけあってさすがにでかいな。」



「ただいま!」

「ただいま。

幸大君も遠慮せずに入って。」

睦月が言う。

「お邪魔します。」


「おかえり。

あら、お友だち?」

「お母さん、彼がこの前話した幸大君。」

皐が言う。

「どうも。」

「いえ、こちらこそいつも睦月と皐がお世話になっております。」

「お母さん、お父さんは?」

「パパは書斎に籠りっきりよ。」

「…。

皐、睦月。

書斎に案内してくれ。」