「や、やった!!」

ガバッ、

真知が朝日に抱きつく。


「ちょっ…

皆が見てるから…」


「あ…」



「真知、その。

将来の約束のために…

受け取ってほしい。」



朝日は指輪のケースを開けながら真知に差し出す。


「はい。」



真知の指に朝日が指輪をはめた。

「じゃあ、私たちの話はこれで全てです。」

幸大が言う。

「…では失礼します。

企画書はできるだけ早く仕上げてきます。


真知、行くぞ。」


「は、はい。」



「あ、長瀬さん…」

幸大は静かに、突き刺さるような声で言う。


「真知や朝日に何かしたらあなたの会社…いや、あなたの首が回らなくなるどころか吹き飛びますから。

その辺は死ぬまでお忘れなく。」



その瞬間、真知の親父さんは大量の汗を吹き出す。


真知の親父さんが感じたのは絶対的な殺気だった。