アダルトチルドレン

気が付くと、忙しい生活をして疲れていたせいか爆睡していた。

傾いている頭を起こすように喜代さんは私の髪をクイっと引っ張っていた


「あ、ごめんなさい。こんな傾いてたらやりにくいよね」

「やっと起きた。10分くらい寝てたよ。長さはこれくらいでいい?」

喜代さんはニコッと笑った

「あぁ、うん。大丈夫。なんか最近あんま寝てないし、忙しくて……」

「大丈夫?なんなら家まで送るよ。ついでに一緒にゴハン食べに行く?」

小声でそっと私を誘った

「いや、このあとちょっと用事あるから。ごめんね〜」

ほんとは予定なんか無くて、さっさと帰ってぐっすり眠りたかった

「そっか。じゃあ急いで仕事終わらせるから、待ってて。送るよ」

「いや、大丈夫だよ」


喜代さんはどうしても私とできるだけ一緒に居たいらしい

ブローが終わったあとも、上着を渡されたときも

「ほんとに送らなくても大丈夫?」

と言われた。

だけど私はひとりで帰ると一点張りだった