え!!?
どういうこと!!??
さらにパニックを起こして
目を見開き
クチをあんぐりと開けていると
「律子さんは昔ある組織の特殊工作員…つまりはスパイだったんです。」
涼しい目をして総ちゃんは私の耳にそっと囁く。
「そして…その時のコードネームが【Maria】
まぁ“マグダラのMaria”とも呼ばれていたみたいですがね。」
お、お母さんがスパイ!!
聞くんじゃなかった……。
私はこの時初めて自分の軽率さを呪った。
女豹で生涯現役な肉食女子の職業が“元・スパイ”
こんな複雑な過去をお持ちの母親って…きっとうちのお母さん以外にいないよね……。
ビックリ仰天な神崎律子の過去に更に腰を抜かしてポカーンとしていると
「ま、そんなわけで俺達は自分の身は自分で守れるようにきびしーくババァに躾けられたってワケよ。」
そう言って
ばつ悪そうな顔をして聖ちゃんはポリポリと頭をかく。


