食い入るように見つめる瞳
絶対に嘘はつかないでと
懇願するように私は聖ちゃんを見つめる。
すると…
「ミュー……」
聖ちゃんは少し困ったような顔をして、壊れ物を扱うような手つきで私の頭をそうっと触る。
今ならわかる。
あの時の私には
真実を教えるわけにはいかなかったこと。
でも…
そんな聖ちゃんの気持ちなんて何も理解できなかった私は、その聖ちゃんの精一杯の気遣いすら、うっとうしく感じて、イラつきを押さえられなかった。
聖ちゃんの手をパシンと払うと
「ごまかすのはやめて!!!」
そう言って
私は思いっきり酷い目つきで聖ちゃんを思いっきり罵倒するように睨んだ。
「Bossって何!?
クルセイドって何!?
Mariaってナンなのよ!!
はっきり言って!!!」
「………。」
「聖ちゃんが探偵だなんて初めて聞いた!!いつからお母さんの仕事手伝ってるの!?」
まくし立てるように
攻め立てるように
マシンガンのように
ズラズラと疑問をぶつける私
でも…
聖ちゃんはずっと下をむいたまま、何も答えようとしなかった。


