これからの私の日常と
価値観を覆されるコトに
なるような、言いようのない不安感。
そして張り詰めたこの空気
一触即発のこの空気に耐えかねて
聖ちゃんの手をギュッと握り締めると
聖ちゃんはハッとしたような顔をして
私の顔を見つめる。
「言え!!小僧!!
お前達は何者だ!!!!」
撃鉄に手をかけて
脅すように
私達をジークが睨むと
聖ちゃんはさっきまでの厳しい顔を180度豹変させてニッカリと笑ってこう答える。
「言っただろ!?
俺達はただの名もない探偵だ!!」
そう叫んで
ニャハハー!!とガキ大将のように笑うと
「総一郎ーーっ!!!
出番だぞーーーっ!!!」
そう言って。
ポケットの中に手を入れて
小さなボタンのようなものをポチっと押した。
――な、なによ、この小道具っ!!
ワケのわからない聖ちゃんの行動に目をシロクロさせていると
「遅いんですよ、追い込むのが。」
そう言って。
いつものスーツ姿に冷静な顔をした総ちゃんが、私が蹴破った扉から顔を出し、ゆっくりとジークに近づく。


