「聖ちゃん、大丈夫!!?」
慌てて聖ちゃんの近くに駆け寄ると
銃口を私達に向けたまま
ジークは淡々と語りだす。
「昔、我らの組織と対立する組織に“Maria”という有能な工作員がいた。何度ヤツに我らは計画をつぶされ、煮え湯を飲まされたかわからんよ。」
聖ちゃんは私をギュウと抱き寄せたまま、鋭い目をしてジークを睨む。
ジークはその目を見てフフンと微笑むと
「長い戦いの末、ついに我らの野望が遂げられると喜んだ時……ヤツは我らの“ヴィーナス”を奪い去り、我らの野望を永遠に闇に葬り去ってしまったのだ!!」
そう言って忌々しそうに床を蹴る。
「……。」
「お前達のやり口は……Mariaに似ている。」
「……。」
「お前達Mariaを知っているな…??」
聖ちゃんが厳しい目をしてジークを睨む。
聖ちゃんだけじゃない。
陸ちゃんも
レオン君も
ミキちゃんまでもが
見たこともないキツイ目をして
ジークを睨む。
Maria?
組織??
ヴィーナス??
意味がわからない。
何なの??
ねぇ、ジークは何を言ってるの??
怖い…
怖いよ、聖ちゃん……!!


