「ココはお察しの通りニセ札工場。
たった数百円の電力で数百億円の
利益を生む、夢の楽園。」
そう言ってジークは眼下に広がる
印刷機を指差す。
「我々の目的はな?
“あるモノ”を買うコトなのだよ。」
「ある…モノ??」
「そう。
小娘、貴様には想像もできんような
途方もない買い物だよ。」
ガシャンガシャンと大きな音を立てて
以前として動き続ける、印刷機。
私の命なんかより
俺の方が大事だと言わんばかりに
有無を言わさずに
大量に作成されていく、
ニセ一万円札の山、山、山。
それらを見ながらフッと笑うと
「我らが欲しているものを手に入れるためには莫大な資金が必要でな。そのためにこの偽札工場は稼動している。」
不敵な笑みを浮かべて
ご自慢の偽札工場を見下ろす
ジーク
そんなご満悦な顔した銀色の悪魔に
「…で?なんでこんな場所に偽札工場なんて作ったワケ??」
私は当初から感じていた疑問を正面からぶつける。


