そういった瞬間
ピンっと張り詰める緊張の糸
蛇のように睨みつけるジークに
理不尽な怒りを向ける私。
真冬の南極のように凍てついた
張り詰めた空気の中
誰もが言葉をなくして
ジークを見つめる。
そんな時間がどれくらい続いただろう
ずっとお見合いのようににらみ合いを
続けていた私とジーク
ジークはハァとため息をつくと
「アンタ…何者?」
訝(いぶか)しむような顔をして
ジークが訊ねる。
「うるさいわね!
ただのモテナイ女子高生よ!!」
キィィ~!と怒りながら答えると
「ただの女子高生なら
この状況でこんなに冷静になれねぇぜ?」
そう言ってフフンとバカにしたように
ジークは微笑む。
「アンタ、何者?
その目、その肝っ玉、その冷静さ
ただの女子高生(クソガキ)なんかじゃ
ありえねぇ。
どっかの組織の回しモンか??」
ふざけたように
バカにしたように
私のこめかみに当てた銃口を
引いたり押したりして、挑発してくる
悪魔なオトコ。
あ~ぁ、くやしい。
私の命は今、コイツの手の中にある
ジークがこの撃鉄を引いたが最後
私はこの世にサヨナラしてしまうんだ。


