ぴゅー。




聖ちゃんの頭から噴水のように湧き上がる、鮮血。






「いぃってぇぇぇ~~!!!」





悶絶しながら痛がる聖ちゃんに



「聖兄(せいにい)バカだなぁ。」

「うむ。律子さんに逆らうなんて、愚の骨頂だ。」

「Oh,セイのアタマ、なんだかベルサイユ宮殿みたいでキレイだネー。」



朝食の目玉焼きをほお張りながら、淡々と聖ちゃんの批評をする兄達3人。





そして……




「ちょっと、お母さんっ!!
こんなに血が出たら聖ちゃんが死んじゃうじゃない~~!!」




あまりに吹き出す血の量におののいて、批判の声を上げる、私。





――このままじゃ、大変なことになっちゃうよぉ~!!




焦った私が台所にあるタオルをバッと聖ちゃんの頭にかぶせて止血をしていると




「ミュ…ミュー……。
や…やっぱりお前はこの俺様のことを……」




キラキラした目で私を見つめ、私の両手をギュッと握り締める聖ちゃん。




ほんと……
いい加減にして欲しい。