駿くんの第一印象は
子犬っぽい、おっとりした
爽やかで、純情無垢な好青年。
優しくて穏やかな人と
思っていた彼は…
あっという間にギトっとした目の
悪徳不埒男に変身してしまっていた。
――な、なに!?何が起こってる!?
意味がわからずキョトーンとしてると
「あ~~ぁ、マジで真理には騙された。
カレシもいなけりゃ男友達もいない
イマドキ珍しいオンナって聞いたから
相手してやる気になったのに。」
ふ~、と大きく背伸びをしながら
駿くんは悪い顔してギロリと睨む。
「会ったら会ったでかわいいし?
ちょーっとイイカンジにしてやろうと思ったけど、アンタの相手するなんて絶~っ対ムリだね。」
「は……???」
「だってさ。アマゾネス(女戦士)みたいでキモチ悪ィもん。」
「は、はぁ~~~っ!!?」
初対面のオトコに
そこまで言われて
ゲラゲラと笑われて
いい加減、血管がキレそうになった、私。
でも……
ココはガマンだ……
クソオトコだろうと
カスオトコだろうと
こんなんでも親友・真理のトモダチ
ココで私が変なコトしたら
真理に迷惑をかけてしまう。
ガマンしろ、美優
コイツの挑発に乗っちゃダメ
理性を総動員して
こみ上げる怒りを必死に隠して
「ごめんなさい。」
頭を大きく下げて、駿くんに深々と謝ると
「フン……
アンタみたいなキモチワルイオンナにはキモチワルイお兄ちゃんがお似合いだよ。」
バカにしたような
勝ち誇ったような顔をして
したり顔で駿くんは私を指差す。


