――い、いけない、いけない!!
今私は駿君とデートしてるんだから!!
「ご、ごめんね!!
なんでもない!次はアレ乗ろっ!!」
気分を切り替えて駿くんを振り返ると
「う、うん!!!」
駿くんは不思議そうな顔をして
私の顔を見つめていた。
――しっかりしろ、私!!
今日は聖ちゃん達の呪いを
振り切って、遊びつくすんだからっ!!!
ぬおぉぉぉ~っ!!!!
心の中で無駄にガッツポーズを作って
ガオーと雄たけびをあげる私。
そんな私を見て駿くんは疲れたように
こう呟いた。
「マジでやりにくいオンナ……」
そんな呟きに気づきもせず、私は
「ほら!行こうっ!!」
駿くんの腕をグイグイと引っ張って
目の前にあるジェットコースター
目指して走り出す。
見てろ!聖ちゃん!!
私はこの遊園地デート、
楽しみ尽くしてやるんだからねーっ!!
「駿くん!
ジェットコースターの次はこのフリーホールで、その次はこの木製ジェットコースターで、そのまた次はウォータースライダーに乗ろうねっ♪」
ニッコリとオンナ力をかき集めて
ミキちゃん直伝の小悪魔笑顔を作ると
「う、うん……」
駿くんはなんだかゲッソリした顔で、私の提案に頷いた。


