「どう?聖哉。
コレに免じて美優を自由にしてやってくれない?」




妖艶な笑みをこぼしながら、
聖哉のアゴを人差し指でツゥッとなでる
美樹。




美人なお姉さまに誘惑される図に
その場にいた全員がポォっと
頬を赤らめたが




「やめろ!気色悪りぃ!!!」




聖哉は真剣にいやな顔をしながら
ペッペと美樹の手を振り払う。





「ふふっ。ウブなんだから。」


「アホか!!オマエに誘惑されても何にも嬉しくねぇわ!!!」





バーカ!バーカ!と叫びながら
大人気ない対応を取る、聖哉




そんな彼を見ながらフッと微笑むと




「じゃ、そういうことだから
みんなにも伝えておいてね?」




美樹はゆっくりと席を立つ。






「このことボスは知ってんのか?」





周りに聞こえないように呟いた聖哉の一言





「Of course.(もちろん)
作戦を実行しろ…とのお達しよ?」





そう言って
美樹は大胆不敵に微笑んだ。