ムスッとしながら
でもその怒りに耐えながら
テーブルを拭く聖哉の横顔を見て
美樹はフフッと微笑む。
「よくガマンしたわね。」
この重度なシスコンオトコが
よくガマンしたもんだ。
美樹が意外な声を上げると
「ババァに口止めされたからな。
だからミューが尻尾を出すまでは泳がせる。」
苦虫をつぶしたような難しい顔をして
聖哉は忌々しそうにトレイに空いたコップを
乗せていく。
「掴んだら最後、絶っっ対に阻止してみせる!何が何でもジャマしてやる!!!!」
そう言い切るとガシャンガシャンと
勢いよくコップを乗せていく、聖哉。
そんな聖哉に向かって
「聖哉。」
「あぁん!?」
「今回はちょっとジャマするの、やめてくれない?」
ミキはこんな一言を口にする。