ギャーギャーとじゃれてる私達を見ながら、お母さんは疲れたようにガックリと肩を落とす。




「まったく……
守れとは言ったけど“愛せ”といった記憶はないんだけどね…。ホント我が息子ながらめんどくさい男共だよ……。」




ポツリと吐いた一言は私の耳には届かなくって




「レオン君、いい加減シスコンから卒業してカノジョ作りなよ。」



「あぁ、カラダだけのカノジョならたくさんいるけど僕はミユウ一筋だモン。」


「なにそれ!!意味わかんないよ!!
タチ悪いよ!!」


「そう?ボクは誠実だと思ってるケド??」





私はどうでもいい言い合いをレオン君と繰り広げていた。






お母さんの言う“守る”という一言





私はずっと神崎ブラザーズに守られて
恋も友情も犠牲にされてきた。



今の私にとって“守る”という一言は“自由を奪われる”と同義語なんだ。





もうイヤだ!
もうこんな毎日から抜け出したい!





そのためにはこのデート大作戦を必ず成功させてやる!!





レオン君とじゃれながら
私はそんなコトをずっと考えていた――……