レオン君はイタリア人の血をひいているからか、オンナノコを褒めるのがやたらと上手い。
「ワオ!このサラダ、今まで食べたどんなサラダよりも美味しいよ~!」
「ホント!?レオン君。」
「うん。味付けもバッチリだし盛り付け方もキレイ!美優、料理上手になったね~!」
こんな風にいつも私を褒めてくれるレオン君はホントに女の子の扱い方を心得てるなぁ、と思う。
だって普通に考えたら…
「褒めすぎだよ?レオン。
サラダなんて野菜洗ってちぎって、ドレッシングかけりゃ終わりじゃないか。」
焼酎片手にケッと悪態つきながら呟く、お母さん。
うん、お母さん……
悔しいけど、私もそう思う。
今日の夕食は豚肉のしょうが焼きに、サラダと大根のお味噌汁。メインのしょうが焼きはお母さんが作って、その他もろもろは私が作った。
どう考えてもサラダとお味噌汁は簡単に誰でも作れる、初心者メニュー。
そこまで褒められるほどの料理ではないのにレオン君は
「何言ってんの、リツコさん。
愛するミユウが作った料理以上に美味しいサラダなんてこの世にあるはずないデショ?
安心して、ミユウ。このサラダは最高に美味しいよ。」
だなんて言って、私のサラダをベタ褒めしてバクバク胃袋に収めていく。


