「さっすが所長!」
「カッコイイ~!」
「相変わらず所長のオンナ論は
勉強になるわぁ…。」
ヒューヒュー
やんややんやと鳴り響く
お母さんへの声援と
「美優ちゃんもねぇ…」
「いいじゃんねぇ、レオン君で」
「え~!?あたしは陸ちゃんがいい♪」
「私は断然総一郎君派♪」
コソコソと囁かれる
私への陰口
――う…!!なんでこうなるのよ!!
なんだか私が悪者のようになってしまった、この縮図
女王・律子と敗者・美優
なんだか居心地の悪くなった私は
「もう!お母さんなんて知らない!
ミキちゃんに頼んでやるんだから!」
かっこ悪いへらず口を叩いて【美優専用】と書かれた事務所奥のデスクにガコンと座って、参考書を広げて勉強を始めた。
――ムカツク!ムカツク!
絶対、遊園地デート成功させてやるんだから!!!
そんなしょーもない対抗意識を燃やしながら、ガリガリガリガリとノートに英単語を書きなぐっているとあっという間に定時になって
「神崎スネ子、帰るわよ?」
「誰がスネコよ……!!」
ジャイアン神崎律子と共に一緒に家に帰った。


