お母さん譲りの眼光で
ギロリと睨みつけると
「そりゃそうでしょ。
よりよいDNAを受け継いで
自分のDNAを残して欲しいと
思うのはメスの本能。
美優。アンタもオンナなら
よりいい遺伝子を
残したいと思わない?」
フフンとバカにしたように
したたかに微笑んで
お母さんは机の上にある
タバコに火をつける。
「聖哉・総一郎・レオンに陸
あの子達は顔もさることながら
頭だって行動力だって
そこらへんの男と違う。
美優、アンタもオンナなら
アレ以上のDNAを持つ男を
選びなさい。
そうじゃなきゃアイツらも
あたしも納得はいかないね。」
そう言って
大胆不敵に微笑むお母さんは
まさに女豹!!
恋愛という弱肉強食のサバンナで
バッタバッタと敵をなぎ倒し
勝ち抜いてきた、最強の女豹……!!!
大体“デートがしたい”っていう
私の可愛らしい相談を
DNA(遺伝子)という
人体の宇宙を持ち出して
語りだす時点で
ちょっと観点がズレているし
どうかしている。
デートとDNA
絶対にセットになることのない
言葉をセットにされて
混乱する私と
お母さんの力説にウンウンと
納得する、スタッフ(ギャラリー)
の皆様。


