「だって…、いっつもいっつも
聖ちゃん達は私のジャマするんだもん!」
「邪魔…?違うでしょ?
アイツらはアイツらなりにアンタのことを
守ってるだけよ。」
「違う!!だって私が好きになった子、
試すようなことして、私の恋を
勝手に潰していくんだよ!?」
そうよ…!!
もううんざり!!
私は普通の女の子みたいに恋して
青春を謳歌したいの!!
だから今回ばかりは絶対に
ジャマされたくない!!!
だからお母さんに相談したのに!!!
ギリギリと湧き上がる怒り
わかってくれないことが悔しくて
グッとコブシを握り締めていると
「美優。聖哉達がアンタに過保護なのには
ちゃんと理由があるの。」
「……??」
「ま…今は言うべきではないから言わない
けれど、コレだけは言ってあげるわ。」
お母さんは真剣な目をしながら
私にこう言い放った。
「神崎家に生まれたからにはアンタは
普通の幸せを追い求めるコトはできない。
普通の女の子の夢見る幸せは手に出来ないと
覚悟なさい。」