帰り道

聖ちゃんはいつものように
私を質問攻めにする。




どんなことがあった?
誰と喋った?
どんな授業をうけた?


変わったことはなかったか
キケンなことはなかったか




朝から放課後までの一日の流れを
聖ちゃんは事細かに聞いてくる



まるでそれは殺人事件を担当している
凄腕の刑事のようで、少し怖い。





それもこれも……




「ふむふむ。今日も異常なしだな。
ニシシ、俺のミューは今日も処女だ!!」


「いや~っ!!なんてコトいうのよ!!
聖ちゃんっ!!」





聖ちゃんの歪んだ愛ゆえ。





私に悪いムシがついていないか
チェックするためだけに始めた
この尋問。





「ミューの処女を貰うのはこの俺様だからな~。
大事に守らにゃぁ!ニシシシシシ。」


「聖ちゃん!!
兄妹はそんなコトしちゃいけないの!!」


「はぁ~??そんなのカンケーねぇ!!
俺はミューが好きなんだもーーーーん。」





この世のセオリーというものが
通用しない聖ちゃんは
真っ昼間だというのに
こんなイケナイ一言を口にする。