「もう!みんなちゃんと考えてよ!ミキちゃんが困ってるんだから、力になってあげるのが家族でしょ?!」
なんだかんだで他人事を装う家族に苛立ってギロリと睨むと
「何言ってんだい。
男と女の諍(イサカ)いに首突っ込む方がヤボだろう?こういうのは当人同士にしか解決できないんだよ。」
離婚歴4回のツワモノ、神崎律子は達観した態度でこんなことを言い始める。
ーーう…っ!!
人生の先輩、そして多くの修羅場を超えて来た超人、神崎律子を目の前にしてグググと歯ぎしりするしかなくなった、私。
そんな私を見てクスッと笑うと
「ま、そういうことよね。
めんどくさいけど何とかするわ。」
ミキちゃんはそう言ってコーヒーを口にする。
はぁ……
ミキちゃんは大人だなぁ。
私だったらそんな風に落ち着けないと思うんだけど…。ミキちゃんはいつも優しくて、可愛くて、私の自慢の家族だ。
ミキちゃんみたいに私も素敵な女の子になりたいなぁ……。
なんて考え事をしていた時。
「つーか、最近オマエ仕事時間多くねぇか??」
神崎家1の問題児、神崎聖哉がパンを口いっぱいに頬張りながら、こんなことを尋ねる。


