――はぁ~、いつになったら自由になれるの?



ご機嫌な聖ちゃんに
ブルーな私。



わかるよ?
私を大切に想ってくれてるのは
よくわかる。



聖ちゃんはお兄ちゃんだけど
お父さんの代わりもしてくれて
私のコト、誰より大切にしてくれてる
のはよくわかる。





でも……





「じゃぁな、ミュー。
また学校終わった頃に迎えに来るから。」


「うん、ありがとう。聖ちゃん。」


「バーカ、気にすんな。」





学校に着いてバイクを降りると
聖ちゃんはいっつも私を引き寄せて
ほっぺにチュっとキスをする。






「ちょ…!!聖ちゃん!!」


「ナハハ~!!
じゃあな、ミュー!!」






そして戸惑う私を
からかうかのように
ケラケラ笑うと
風のようにバイクを走らせて
仕事に出かける。





そんなのを毎日毎日やられてたら…




「神崎さんってほんとにお兄さんと
仲イイよねー。」


「そうそう、みんなイケメンだし!」


「あんなの毎日見てたら、
普通のオトコなんてつまんなくみえるだろーね。」




なんて、本人は思ってもいない憶測が
女の子たちの間で流れ始め




「神崎さんと付き合うには
まず神崎ブラザーズに宣戦布告して
タイマンで全員を倒さないといけないらしいよー??」


「えー!?マジ!?」




しばらくすると
こんな根も葉もないウワサが流れ始め
挙句の果てには



「あの子と付き合うオトコって…」




「「命知らずのチャレンジャーじゃなきゃ
ムリだよね!!!」」




なんて言われるハメになってしまったのだ!!