クルセイドの存在を知り、ようやく幹部に接触できるようになったが、知れば知るほどあの組織の恐ろしさに愕然とする自分。
それでも裏社会のトップに立つためと割り切って、奴らに力を借りてきたが⋯⋯こうなったら美味しい方に飛びついたほうが得かもしれない。
小さな失敗を犯して殺されるよりも、身の安全を守ってくれるというのなら、そっちに飛び込む方が得ってものだ。
悩んだ挙句、コクリと小さく頷くと女は満足そうにニッコリとほほ笑むと
「イイコね。じゃぁ教えて?
アナタに接触したのは誰??
そしてそいつはどんな指令をだしたの??」
こめかみに置いた銃を動かしもせずに、芹沢に尋ねる。
「俺に接触したのは銀髪で紫の瞳をした男だ。コードネームはジークフリートだと言っていた。」
ジークフリート
その名を聞いて男はピクンと眉を動かす。
「そう。それで??ジークがした依頼は何だったの??」
男とは違い表情を崩さずに尋ねた女。
その可愛げのない表情を見てハァと小さくため息を吐くと
「もちろんヴィーナスの行方を探すこと。
まずはヴィーナスの開発者であるDr.シュウを探せと言われた。」
「⋯⋯!!!」
「ヴィーナスのカギはDr.シュウ、そしてその娘が握っていると。」
芹沢はジークフリートと名乗る、クルセイド幹部の言葉を淡々と伝える。


