女の瞳はあの銀髪の男とよく似ている。冷たい、何も映さない、読めない瞳。
失敗したものには死、あるのみ。というクルセイドの粛清の掟をこともなげに言う女を見て、芹沢は背筋にゾクリとしたものを感じ得ずにはいられなかった。
「粛清は怖いわよね?
このままだとあなた、散々拷問された挙句に、苦しみながら殺されるわよ??」
クスリと笑う、冷たい目をした女。
女は銃の引き金にカチャリと手を当てると、ニッコリ笑ってこう言った。
「さて。取引しましょうか。」
「取り引き?」
「そう。
あなたに接触して来たクルセイドの幹部は誰?そしてクルセイドはヴィーナスの秘密をどこまで嗅ぎつけてる??それを教えてくれれば……あなたの身の安全を確保してあげる。」
それに合わせて隣にいた長身の男も芹沢に銃口を向ける。
「お前達にそんな権限があるのか?」
クルセイドの暗殺者はかなりの手練れだと聞く。そんなプロを相手にこの女が太刀打ちできるのかどうなのか怪しいもんだ。
冷ややかな瞳を浴びせながらそんな言葉を呟くと
「アタシの仲間は有能よ?
クルセイドのアサシンぐらい…簡単に捻り潰せる。」
「大人数で現れても…か??」
「ええ。頭脳と体力だけには自信があるの。必ずあなたを守り切れると約束するわ。」
NOと言えば殺される。
だが芹沢は何も掴んでいなかった。
空気を掴んでいるようなヴィーナスの情報と引き換えに、自分の命を守ってくれるなら…おいしいかもしれない。


