ふとその声の先を見ると、そこにはピッタリとした黒い皮スーツに身を包んだ美しい女が立っていた。
「だ、誰じゃオマ⋯⋯ふごっ!!」
そして大声を上げそうになった勅使河原は
「スミマセンね。
邪魔モノは少し眠っていてくだサイ。」
同じような黒スーツに黒いバンダナで顔を隠した男にクロロフォルムをかがされて意識を失った。
——誰の手の者だ??
芹沢は冷静を装いながら
「何のことかな?
俺の強い味方はここにいる勅使河原権造氏のことだが??」
探る様に女に視線を移すと
「ウソが下手ね。」
女はクスッと笑って銃のグリップを持つ力を強くする。
「残念だわ。顔は好みなんだけど、うそつきは嫌いなの。正直に白状なさい?あなた、クルセイドと接触を持ったわね?」
「⋯⋯なっ!!?」
「隠しても無駄よ?
あなたの書斎にご丁寧に隠されていた、このバッジがすべての証拠。」
そう言って。
女は胸元から小さなバッジを取り出す。カフスのような小さなそのバッジに描かれていたのは赤地にさかさまになった黒い十字架。
「これはあの組織と関係を持つものしか所持を許されない、闇の紋章。」
「う、ぐ、ぐぐ⋯⋯!!!」
「言いなさい。
あなた、クルセイドの誰と接触したの??この紋章を貰う見返りに何を渡した??」


