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バカバカバカ!!
総ちゃんと聖ちゃんのバカバカバカ!!!!



芹沢邸を出て、総ちゃんが借りたというレンタカーに乗り込むまで、私はプリプリプリプリ怒りっぱなし。



「ミュー、怒るなよ~。」

「そうですよ。命あってのモノダネですよ??」



腰抜け男2人組はどうにかこうにか私のご機嫌を取ろうと、あの手この手で話しかけるけれど、私の怒りは収まらない。



「そうは言いますけどね。
あの場で殺されなんてしたら大事ですよ??」

「そうだぞ、ミュー!
脳天ぶち抜かれると相当痛いし、遺体は全然キレイじゃねぇぞ!!?そんな美しくない死に方はお兄ちゃんが絶対に許さーーーん!!!!」




どこまでも負け犬根性な兄2人。
いいんだろうか!!
神崎律子の息子たる男二人がこんな腰抜けでいいんだろうか!!


私の怒りをヨソに足がつかないように借りたという曰くつきのレンタカーのアクセルを聖ちゃんがグイッと踏み込む。




「大体ねぇ!!あの状況で大人しく引き下がるなんて聖ちゃんらしくないでしょうが!!!」


運転する聖ちゃんの頭を後部座席からペシペシと叩くと


「だーーーってよ!!頑張る必要なんてねぇんだもん~。」


ケラケラ笑いながら聖ちゃんがこんな言葉を口にする。