バカだ…
バカすぎる。
落ち着こうって決めたのに、焦った瞬間、このザマだなんて。
ーー探偵失格だよ、私。
目の前にズラリと並ぶ黒服達を見ながらハァとため息を吐くと
「侵入者はどこにいる??」
これまた高級そうな黒服スーツに身をまとった、なかなかダンディなオジサマが現れる。
黒髪、短髪。
長身でスラリとした体型。
サングラスで顔を隠してはいるけれど、目鼻立ちが美しい。
普通に見れば、なかなかのイケメンだけど……
「小娘。
こんなところで何をしている??」
その場に現れただけでビリビリ感じる、この威圧感。目の奥に感じる鋭い殺意。
間違いない。
この人が芹沢組の組長、芹沢忍だ。
「もう一度聞く。
ここで何をしている。」
鋭い眼光
肌に感じる威圧感
それらに必死に耐えながら
「あ、あの……この子を探しに来ました。」
デブ猫エリザベスを差し出すと
「猫??」
「はい。
この子がこちらに逃げて来てしまったので、申し訳ないのですがお家に入らせていただきました。」
「庭にも玄関にも見回りの者がいただろう?そいつらに止められなかったのか??」
怪訝そうな顔をして芹沢は私を見つめる。


