腕の中でフワフワと柔らかいエリザベスを抱っこしながら、言いようのない不安を抱えていると
『ワシの裏帳簿はエリザベスに隠しております。』
『ほう…、ソレは興味深いな。
どういう意味かね。』
『ふふん…。芹沢さんも気になりますか??ワシの裏帳簿はエリザベスの首元に隠しておりますですじゃ。』
え?!ええっ?!
エリザベスの首元?!
私の腕の中でニャゴニャゴしてるエリザベスの首元にあるのは、悪趣味な金の首輪。
その首輪を外して首輪を見るけれど、怪しいものは何もない。腕の中にエリザベスを抱きながら、首輪を横にして見たり縦にして見たり動かしていると、裏側の皮に何かがポコンと浮き上がっていることに気づく。
ーー何これ…。
よくよく見ると、その突起の横側には小さな切れ目がついていて、そこを覗き込むと
「何?このチップ⋯⋯。」
人差し指の指先よりも少し小さめの黒いチップに気づく。不思議に思って慎重にそのチップを手に載せると
『ワシの裏帳簿はエリザベスの首輪に忍ばせております。』
『ほう⋯⋯。』
『それを知っているのはワシと家内と⋯⋯芹沢さんのみ。あの小賢(コザカ)しいネズミどもも、そこまではわかりますまい。』
天上からこんなビックリな言葉が聞こえてきて、私は目を剥く。
――え、え、えぇぇぇぇ~~!!
手のひらに収まった小さなチップ。
まさかコレ⋯⋯勅使河原の裏帳簿?!
指先に乗せられたソレをよくよく見ると⋯⋯それはマイクロSDカード。
う、うぎゃぁぁぁーー!!!
え、えらいこっちゃー!
とんでもないモノをとんでもない場所で聞いてしまった、可哀そうなワタシ。聖ちゃんが一緒ならまだしも、聖ちゃんは不在。総ちゃんも陸ちゃんもだーれもいない、この状況。
ど、どうすればいいんだろう!!


