「ちょ…聖ちゃんっ!!」
「文句はアトで。
とにかく行くぞ!!ミュー!!」
強引に腕を引っ張る聖ちゃんの勢いに負けて、私はカバンをガバッと取って
「い、行ってきます!!みんなー!!」
怖い顔したお兄ちゃん’sに別れを告げた。
「ったく。あいつらマジで怖ぇんだからー!!」
ゲラゲラ笑いながら連れて来られたのは、神崎家のガレージ。
ココにはお兄ちゃん’sの車にバイク、お母さん愛用の外車と私のチャリンコが置かれている。
「さーて。じゃぁ片道20分のデートと行きますか。」
「頼むから安全運転でね。」
「バーカ。
ミューが後ろに乗ってるのに暴走なんてできる訳ねーだろ??」
そう言って、聖ちゃんがキーを指したのは愛車のハーレー。
赤を基調にした、この大型バイクは聖ちゃんらしくてカッコいい。
私もこのバイクがお気に入りだ。
エンジンをかけるなりブゥゥンと重い音を立てて、輝き始める、聖ちゃんの愛車。
「ほら!!後ろに乗れ、ミュー!!」
満面の笑みで私を呼び寄せてくれる聖ちゃんに
「うんっ!!」
と頷いて傍に寄る。


