それに運よく勅使河原さんがウチに来てくれたからよかったようなものの、間違えて違う事務所に行ったとしたらどうするつもりだったのよ!!!
って、ソコまで考えて。
私は勅使河原さんの呟いた
一言を思い出してしまった。
『最近ご近所でペットが失踪する事件が多発してるんザマスが、お隣の奥さんからこちらの探偵事務所はとても優秀だとお伺いしてお願いにあがったんザマスっ!!』
うん
確かにそう言ってた。
って…
まさかぁっ!!!!
ウチに依頼に来た経緯を思い出して
いやな予感がハタと巡る。
「あ、あの、総ちゃん。」
「なあに?美優。」
「違うなら違うって言ってね?
もしかして勅使河原さんのお家の付近で多発した、ペット失踪事件って……。」
お願い!!!
違うなら違うと言って~~~っ!!!
その私の必死の願いは
「えぇ。全て僕の作戦です。
陸やレオンにあらかじめ付近のペット誘拐をお願いしておきました。」
そのニッコリとした
総ちゃんの笑顔に
アッサリ
サックリ
バッサリと
切って捨てられることとなる。


