「美優」
「ん?」
「とりあえず、コーヒーの準備よろしく。」
悪魔な顔してほくそ笑む、お母さんを横目に私は給湯室でコーヒーづくりに精を出す。
コーヒーメーカーから湯気がたち、コーヒー独特の香ばしい香りに包まれていると……
「お邪魔するザマスっ!」
頭の上からつま先まで
キンキラキンに彩られた
オバチャンが
勢いよく事務所の中に
入ってきた。
――な、なに、この人!
中肉中背
頭は気合いの入った
パンチパーマ
ジャラジャラとつけられた黄金のアクセサリーに、豹柄に大きな二匹の豹があしらわれた恐ろしい組み合わせのTシャツ
そしてゼブラ柄のスパッツ
恐ろしいファッションに身を包んだオバチャンはハンカチで目元を押さえながら
「お願いザマスっ!
うちのエリザベスちゃんを探して欲しいザマスーっ!!」
半狂乱になりながら叫ぶ。
ま、間違いない。
この人はさっきの電話の主……
神崎探偵事務所への
依頼者だ。


