「昨日の夕方からウチのエリザベスちゃんの姿が見えないんザマス!!ずっとお家の周りを探しているんですけども、一向に見つからなくて…!!心配で心配で夜も眠れないんザマス!!」
「は、はぁ……」
おそらくこの口調から察するに、このオバサマは成金に違いなく、宝石はジャラジャラ、お家はキンキラキンに彩られているであろう、この依頼者。
――うぅ…苦手なタイプ…。
「それでお隣の奥様に相談したら、探偵事務所に依頼をすればいいんじゃない?とアドバイスを受けたんザマスのよ。」
受話器の向こうにうっすらと見える成金オバサマにウッとなりながら、ハイハイと話を聞いていると
「お願いザマス!お金に糸目はつけないザマス!!
どうか…どうかウチのかわいいエリザベスちゃんを見つけて欲しいザマス~~~~っ!!!」
そう叫んで
オバサマはオイオイと物凄い声を上げて泣き始めてしまった。
――うぅ…、やっぱりこの依頼者ニガテ…。
そう思いながらも、コレはお仕事。
ザーマスおばさまをなだめながら
「一度お話をじっくりお伺いしたいので、事務所に来ていただけますか?あとエリザベスちゃんのお写真を持ってきていただけると嬉しいです。」
と、優しく、できるだけ優しく語り掛けると
「わかったザマス!!
今すぐそちらに伺うザマス~~~~っ!!」
ガッッチャン!!!
おばさんは勢いよく受話器を置いて、カナリ失礼な態度で電話を切った。


