怒りを込めてギロリと睨むと


「当たり前だろ?あたしはアンタを産んであげた上に、見返りを省(カエリ)みずに今の今まで育ててやったんだよ??
アンタが無事に成長できたのも、生まれてこれたのも元をたどればあたしのおかげ!!ってことはアンタは私に恩を返す義理があるだろう!!??」




迫力満点
まさに悪女の顔をして
お母さんはドヤ顔で
私を睨む。





「親がいてこその親孝行!!
アンタが私を誰よりも奉(タテマツ)らなきゃいけない理由はソレだよ!!」





どーーーーーーーん!!





自信たっぷりに
見下すように
私の顔を指差すお母さん。






「な、なんなのよ、その持論~!!」


「はぁ??何言ってんだい。
持論じゃなくて正論でしょーが!!」






ちょ、ちょっとー!!




私の(というか世間一般の皆様の正論)は、女豹・神崎律子には思いのほか届かず。





「わかったらさっさと仕事しな!!」


「イターっ!!!」




そう言うやいなや。
私はお母さんに思いっきり
回し蹴りを食らわされ、
痛みに耐え切れずに
床にうずくまって
悶絶していると…




「あ、そうそう。」


「イ、イタ~~~~ッ!!」


「ここにいる間はあたしのコトは"BOSS"とお呼び?
わかったね??美優!!」



そう言って
ドS・神崎律子は
あたしの背中を
ハイヒールで思いっきり踏みつけた。