「ババァの元職業はあんなだし。
最悪、いつ命が狙われるのかわかんねぇからなぁ。
俺達はガキん時からババァに護身術を懇々と仕込まれてたんだよ。」





聖ちゃんのその言葉に4人はウンウンと深く深く頷く。





「最後の仕上げって言われて
離島に放置されましたよ、僕」


「あら、そんなのマシよぉ。
私なんて香港マフィアの抗争の真っ只中に放り込まれたのよ~?」


「ボクなんてヘリで山に連れて行かれて、捨てられたヨ~!?」


「オレなんてこないだインドのスラムに捨てられて、危うく殺されそうになったんだぞー!?」



「アホかー!!
俺様なんて…!!
K国の国家機密握らされて、生死の境をさまよったんだぞ!!あの恐怖……お前らに理解できるかーーーーっ!!??」






う、うそでしょ…??





4人の口からは信じられない
恐ろしい言葉が
次から次へと飛び出してくる。






信じたくない




自分の母親が元スパイだなんて
信じたくない。




その後継者として聖ちゃん達が育てられただなんて、にわかには信じがたい。




だけど……




「美優が生まれたときにも同じような悪魔な育て方しようとしたから、私達みんなで止めたのよ?」



「そうそう!!」



「さすがに女の子にそんな過酷な幼少期を過ごさせたくはありませんでしたからね。」



「Yes!女の子は大切に!
それイタリア人としてたいせつな教えデス!!」





4人の力いっぱいな力説を聞いていると、コレは夢物語ではなく現実なのだと思い知る。