…おい、違和感どうした。
違和感仕事しろ。
網膜に焼き付いて離れない幻想をもみ消すために目をゴシゴシと擦る。
突然の圧迫で眼球はピンぼけを起こし、力任せに擦った薄い肌は摩擦熱でピリピリとした。
「───」
むっつりと男を見るわたしに、男もだんまりを決め込んで見つめ返してくる。
わたしの出方を窺うような眼差しだった。
霞んだ世界で捉えるそれは、よけいに威圧感を増したように見えた。
…ありえないだろ。
王様とかなにそれ笑えない。
あの男が王様だったら間違いなく恐怖政治の絶対王政だ。
もう一度ゴシゴシと目を擦る。
頼む。
これで消えてくれ。
気品ある男の見目に、王様コスとか激しく似合い過ぎててどうしようもないんだ。
とてつもなくかっこいいんだ。
一度脳内で当てはめたそれはパズルのピースのようにピタリとはまって、小さな心臓の鼓動をばくばくと高めていく。
こんなドキドキ、いらないし…。
冷静さが真夏の炎天下のアイスのように瓦解していくのだがどうしたらよいのだろう。

