重いショックを受けて落ち込む私を、舜くんが鼻で笑った。




その直後…………。




ちゅぅっ。




「じゃーな」




舜くんは艶やかな笑みを浮かべながら出て行った。




……な、なななななんでっ…!?




私、さっき不正解だったのにっ!




キスされた頬が、熱を帯びているのがわかる。




こんなキスされたら……。




私はその場に座り込んだ。




もっとスキになっちゃうよ…。




もう戻れないかもしれない。




舜くんという遠い存在にやっぱり、恋しちゃったのかな?




あ、でもフラれる前提でだよ、私!




だって、相手は大学生だし秀才だし、オトナだし…。




「ホントは………」




ピーンポーン




ヘンなことを呟きかけた私に、インターホンの音が鳴り響く。




「は、はーい!」




ガチャッと玄関を開けると、そこには先ほど帰ったはずの舜くんが。




「わりぃ、音楽プレイヤー忘れた」




あ、そういうことか。




少し息を切らしてる舜くんをその場に待たせて、私は自分の部屋に戻った。




音楽プレイヤー…ってアレかな?




…うん、絶対そう。




だって、私はあんなカッコいいの持ってないもん。



そろそろそういう物も欲しいな、と考えながら、机の端に置いてあった青いイヤホンが付ている音楽プレイヤーを手に取る。