【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-







「お~、上がってんな。ひなもこっちおいで」




大きくてキレイな花火が上がったとき、悠ちゃんに手招きをされて本部席に座らせられた。




ちょうど人が少ない位置で、私でもよく見える。




本当にキレイ…!




美織ちゃんたちも、見てるかな。




舜くんも…。




と思ってブンブンッと大きく首を振った。




舜くんのことはいいの!




どこかでわたあめ売ってるんだもん!




見てるわけないよ…。




ギュッと浴衣の袖を握りしめたとき、悠ちゃんがたこ焼きを食べながら聞いてきた。




「どう?篠崎との勉強は」




舜くんとの…勉強、か…。




間違えるたびにキスされてます、なんて報告したら、舜くんは即刻クビだろな。




「解りやすくて助かってるよ。舜くん、頭いいから説明も上手だし…」




ありがたいよ、と付け足すと、悠ちゃんは一瞬固まってからハハッと笑う。




…やっぱ、大学生の笑いのツボが、全然全く理解できない。




「そっか、『舜くん』ね~。解りやすくてよかったな!」




「わっ…悠ちゃん、お花ズレちゃうよっ!」




悠ちゃんが満面の笑みでワシャワシャと頭を撫でてくれたせいで、美織ちゃんに付けてもらったお花がズレた。




でも、よかった。舜くんとのコト、あんまり深く聞かれなくてホッとしたよ。