【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-








というか、ドキドキしちゃだめっ!




相手は舜くんだよ…。




家庭教師って割り切って付き合わなきゃ。




一瞬でもこの人にドキッと胸を高鳴らせた自分に、厳しく喝を入れた。




「お~、ひな!…と、篠崎!アイツが探し回ってたぞ!」




…とき、悠ちゃんがたこ焼きを持って歩いてくるのが見えた。




悠ちゃんはねじったハチマキを頭に巻いていて、いかにも本部って格好をしてる。




…はっぴも、すっごく似合ってる。




なんでも似合うんだなぁ、悠ちゃんって。




ほけーっと悠ちゃんに見とれていると、舜くんにふわっと髪を触られた。




「あ~、じゃ、オレ行くから。ひな、迷子になるんじゃねぇよ」




ま、迷子になんてならないもん…。




「俺がいるから大丈夫だもんな?」




舜くんと悠ちゃんにそう言われ、私は交互に二人を見比べた後、頷いた。




ココにいればいいんだもんね。




屋台とかにつられなければ、大丈夫。




「舜くん、頑張って」




ぎこちなく手を振ると、舜くんにフッと笑われる。




…だから、笑いのツボがズレてるよ?




「じゃ、あとでな」




舜くんは悠ちゃんにそう言われ、渋々といった様子で人ごみの中へ消えて行った。