「最初の2時間くらいは雑談してくれるって。それに、俺の大学で一番デキるやつだぞ?所謂(いわゆる)“秀才”ってヤツ?」




雑談…?




雑談なんて、何話せばいいの?




そんなの、逆に困っちゃうよ…。




…って、秀才も雑談も関係ない。




私は私で勉強するっ。




「平気、いらない」




自分でできる…はず…。




勝手に決心をして、携帯をポッケにしまった悠ちゃんを、無理やり部屋から追い出そうとした。




…だけど、こっちもこっちで…。




「え?もう言っちゃったよ。来週から来てくれるってさ!」




勝手に話を進めていたらしく…。




「えー!?いらないって言ったのに!」




悠ちゃんをポカポカと叩くと、ハハハッと笑われた。




…ホントに、本当に来ることになったの?




「いいだろ?きっと、ひなも頭よくなるって」




悠ちゃんは、ケロッとした様子で頭の中が真っ白になった私に返事をする。




人と勉強なんて、絶対ムリなのに…。




「じゃ、来週な」




そんなこんなで、急に来週から家庭教師が来ることになりました。