……そっか。




やっぱり冗談だよね。




こんなに本気でびっくりしたの、何年ぶりだろう?




はーっと安堵の息を吐いた時、胸の辺りが少しチクリとしたのがわかった。




………?




冗談で、よかったのに。




なのになんだろう…。




なんか残念っていうか、どっちかって言うと、期待して損した、みたいな感じ…。




…って、ないない。絶対ない!




期待なんかしてないよ。




ブンブンと首を振っていると、舜くんから意地悪い声が聞こえる。




「あ、もしかしてヤられたかった?」




…んなわけないでしょっ!




黒い笑みは消え、イジワルそうな笑みを浮かべている舜くんからすぐに離れた。




また、「まだキス余ってんじゃん」とか言ってキスしかねない!




「もう時間おわりだよ!」




これ以上舜くんといたら、変になりそうだよ。




今日はもう、ドキドキ終了!




「じゃー…これ全部、月曜までにやっとけ」




舜くんはそう言って問題集を一冊渡すと、部屋を出て行った。




…これ全部って………。




私は舜くんから出された宿題を目の前に、花火大会がちょっと遠のいたのを実感した。