とうとう恥ずかしさがマックスに達した私は、舜くんの腕からサッと抜けた。




今の大学生って、こんなに盛(さか)ってるの!?




何話してても、そっち方面に持っていこうとして…。




舜くんなんか、私に叩かれてバカになっちゃえばいいんだ。




…いや、それは困るよね。




こういう時は関わらないっていう選択肢を択ぼう。




無表情で舜くんからさらに離れると、舜くんは頭にきたのか、あの黒い笑みを浮かべる。




「いいじゃねーか。いつでも襲えるぜ?」




親がいないことをいいことに…。




舜くんは変なコトを言い出す。




…なんでもかんでも『襲う』って言って脅さないでよ。




「へ、平気。女子校育ち甘く見ないで?」




悠ちゃん以外の男の子と手をつないだこともなければ、頭を撫でてもらったこともないんだから!




と、偉そうに言っても、ちょっと怖い。




ホントに襲われちゃったら…って。




だ、だって、舜くんならやりかねないもん!




強気で出た割にはビクビクしている私に、舜くんは腕を組んで目を瞑る。




「冗談だよ。そんなことしたら、悠河に殺される」