そう言って立ち上がると、グイッと腕を引っ張られた。




一瞬で舜くんの腕の中へとすっぽりハマる。




…転んで頭でもぶつけたらどうすんの?




私、もっとバカになっちゃうよ?




そしたら困るのは舜くんだよ。




一から…いや、きっとマイナスから教え直しになるはず。




なぜかぎゅぅぅっと抱きしめてくる舜くんから逃げようと、少しもがくけど…。




「キスだけじゃ限界…。ハタチにしてこの我慢、ナメんな」




更に強く抱きしめられてしまう。




キスだけじゃ限界って…。




よく言うよ。




「私はキスだけで限界なのっ…!」




少しは私の心も察してほしい。




毎回舜くんにキスされるたび、どれだけ心臓が跳ねてるか…。




する方はわからないでしょーね!




「キスだけでって……それじゃ、この先出来ね……」




そこまで言われて、思わず舜くんの口を自分の両手で押さえた。




そ、そそそんな会話するために、家庭教師してもらってるんじゃないんだから!




頬を赤くする私は、舜くんの目を見れずに俯きながら言う。




「そのあとは、言わないで…!」