【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-









「安心しろ。言葉遣いは汚くないはずだから」




心に心配の渦が巻いたとき、舜くんにまぶしい笑顔でそう言われた。




…よかった、優しそうで。




第一印象が冷たい人だったから、また笑顔を見せてくれてホッとしたよ。




というか、私が考えてることを当てるなんて…。




舜くんってスゴイ。




あはは、と苦笑いをしていたらいきなり舜くんから質問が飛んできた。




「なぁ、どうやったらこんな点数が取れるんだ?」




ゴミ箱に封印したはずの例の紙切れが、なぜか舜くんの手元に。




しかも、舜くんは珍しいものを見るような視線でその紙を見ていた。




重ーいヘビーな質問を投げ飛ばしてきた家庭教師に、思わず顔がひきつる。




そんな質問、軽々飛ばしてこないで頂きたい。




そこに触れるなら、もう少し気を遣って欲しいなぁ…。




少しうつむくと、少しばかり黒い笑みを浮かべていると思われる舜くんは、だんだん近づいてくるのがわかった。




ど、どうやったらって…。




それはもちろん、決まってる。




「どうもしなかったら、そんな点数になったんです」




きっぱりと言い切った私。




…ちょっとかっこよかったかな?




あ、ついでにもう一言、テストがあるって知らなかったんです。




アハハと乾いた笑いで、どうにかしようと無い頭で考えた私に、舜くんはため息を吐いた。




その瞬間、ぐりっと頭を捻られる。




「なんでテストなのに“どうもしない”んだよ。お前の頭、根本から治してやろうか?」




そして、バカにしたような口調でそう言われた。




こ、根本はなんとか大丈夫だもん!




葉っぱらへんが腐ってきただけで…!




って、結局腐ってるし……。