もう呼び捨てにされてる…。
仕方ない、先生に逆らうワケにもいかないしな…。
「わかりました。舜くん、でいいですか?」
そう首を傾げると、舜くん(仮)はコクッと頷いてくれる。
「それでいいよ。そういえば、親は仕事?」
舜くんって、クールなのかなぁ。
さっき笑ってくれてから表情ひとつ変えない舜くんを横目に、私は紅茶のカップを持った。
「両親ともに、海外なんです。おかげで女子校育ちです」
出会いがなくて…と泣き言を漏らすと、舜くんはふ~んと頷きながら紅茶を飲む。
「女子校か。タイヘンそうだな」
うん、勉強めちゃめちゃ難しい。
…舜くんみたいな人から見たら、私なんて次元の違うバカなのかなぁ…。
確か悠ちゃん、舜くんは「秀才」だとかなんとか言ってた。
悠ちゃんの大学は、通ってるってだけでスゴイとこ。
私も、幼なじみが通ってるんだー!って何回も自慢した。
そんなところで『秀才』なんてあだ名が付く人に教えてもらうなんて…。
はっきり言って、キレられたりしないか不安。
だって、舜くんから見たら私なんかきっとバカを通り越して大馬鹿だよ?
『てめぇ、覚え悪すぎなんだクソ野郎!』なんて言われてもおかしくない…。


