絶対スパルタだ…。
ブルッと鳥肌が立った私は、慌てて篠崎さんの手を離して淹れたての紅茶を飲んだ。
目標点以上って…絶対ムリだよ。
篠崎さんは絶対、私の頭を甘く見てる。
学年最下位ナメないでほしい。
…って、全く自慢になってないし。
ボヤ~ッとまた意識が飛びそうな私に、篠崎さんがニコッと笑った。
「俺は峰龍大経済学部、篠崎舜佑。改めてよろしくな。あ、俺のことは舜でも舜佑でも好きに呼べばいいから」
簡単に自己紹介をされ、私は目が点になる。
もちろん、その原因は最後の一言なんだけど…。
“舜”、“舜佑”…?
確実に下の名前徹底してるのが目に見えて…耳に聞こえた。
…呼び捨てなんて、失礼すぎてできないよ…。
困り果ててまごまごしている私に、篠崎さんが追い打ちをかけるように言う。
「篠崎さん、とか堅くてやる気出ないからさ。俺も『ひな』って呼ぶから」


