ったく、どこまでも律儀なヤツだよなぁ。




抱きしめたまま頭をなでてやると、ひなの反応がなくなった。




「…………………………」




「ひな、平気か?………おい?」




「……………………」




ちょっ……。




マジで大丈夫か?




返事ねぇし…。




一旦体を離し、ひなを見るとぐったりしたまま必要最低限の呼吸をしてる。




…疲れたよな。




今まで8時間くらい睡眠してたヤツが、いきなり2~3時間に減らして。




「徐々に」っつー言葉を知らねえのかよ。




ホント、頑張りすぎだ、バカ。




「ひな、取り合えずベッドで寝ろ」




俺はそう言って、ひなのカバンをあさって家の鍵を取り出す。




よくもまぁ、歩けなくなるほど勉強したよな。




俺には到底無理だ。




まず……続かないな。




だからその根性は、ホメてやるよ。




なんて思いながら、ひなを抱え上げて部屋まで運び、ベッドにおろした時にふと思った。




…コイツ、熱くね?




ひなのおでこに手を当てると、やっぱり熱い。




俺の手が冷てぇのか?




不審に思いながらも手を離すと、いきなりグイッと力強く引っ張られる。