『ひな、迎えに来たよ~!』
美織ちゃんがインターホン越しに言ったその言葉で目が覚めた。
「はっ!……今何時!?」
ベッドから飛び起きて自分の姿を見ると、パジャマに寝癖のひどい恰好。
や、やばい…!
今日はとっても大事な日だっていうのに…!
「は、8時ぃ!?」
時計を見て、さらに慌てる私。
『ひな、まだぁ~?合格発表、前で見れないよー?』
……そう、月日は流れ、今日は合格発表の日。
…クリスマスもお正月もバレンタインさえもスルーして勉強したけど、結果本番の手ごたえはイマイチだったの。
だから、本当は一人で合格発表見に行きたかったんだけど……。
美織ちゃんと裕貴くんに誘われ、断れずに一緒に行くことに。
それに、裕貴くんと穂見くんは仲がよかったらしく……。
『春沢さん、大丈夫?』
「ほっ、穂見くん!?もう少々お待ちを!!」
一緒に行こうと誘ったら、たまたま合格発表の日が同じということもあり、すぐにokしてくれたみたい。
…私は、合格発表は一人ネットで見ようと思っていたのに……。
……だってさ。
3人は確実に受かってるのに…。
1人だけ落ちるのは確定してるようなもの。
私に気を遣ってくれて、盛り下がるのは嫌だよ…。
だけど断れなかった自分が、こういう事態を招いてしまった。
「お待たせ!」