「クリスマスだろうが正月だろうが、受験生には関係ねーの」




私の心を見透かしたのか、舜くんは私の頬をツンツンっと突っついた。




わ、わかってますー!




覚悟の上での受験だもん。




「よーし、頑張る!舜くん、勉強しよっ!!」




バッと立ち上がり、勉強道具を持った私を見て舜くんがクスリと笑う。




「まぁ、俺の学力はひなにフル活用してもらうから。俺が覚えてること、全部覚えりゃ受かる」




は、はいっ!?




い、今なんとおっしゃいました…?




『俺が覚えてること全部覚えりゃ受かる』!?




そんなの……無理……。




平然と超大変なことを言う舜くんに、私は思わずリビングへと駆け込んだ。




えっと、英語、世界史、古文漢文……。




どれもヤバいよぉ…!




舜くんの言うとおり、クリスマスもお正月も封印しなきゃ。




クリスマスパーティーをしたり、夜には美織ちゃんたちと神社にお参りに行く年末年始…。




毎年楽しみだったけど、今年は思い出すとやる気をなくすから、ついでに思い出も封印!




「合格発表終わったあたり、俺からも報告あるから」




とりあえず漢文の勉強を始めた私に、舜くんがソファに座りながらそういう。




………なんのほーこく?




…って、舜くんに気を取られちゃダメ!




「分かった。……あ!待って!!この字なんて読むんだっけ?」




「………………」




さっそく「不」が読めず、舜くんに頭を叩かれる私だった……。