い、意外と体力使うなぁ…。




舜くんって細いし軽そうなのに。




うーんと踏ん張りながら、懸命に部屋まで舜くんを引きずるけど…。




「はぁっ、むり……」




部屋の前まで来て力尽きた。




重労働もいいとこだよ。




全く動こうとしない男の人を引っ張って歩くなんて思ってもみなかった。




私は泣く泣く、心の中で懇願する。




もう、起きてよぉ…!




センター試験まで、時間がないんだってば…。




と思いつつも、もう頑張れない。




…朝起きたら、絶対筋肉痛だろうな。




明日から冬休み突入で、本当良かった。




その場で一息吐いて、舜くんの手を離す。




…けど。




「きゃぁ………!?」




ドサッ…。




「ひな…」




あろうことか、舜くんが私に覆い被さってきた。




ひ、ひぃ~!




こんな…こんな状況…!




ドキドキバクバク、心臓が、飛び出そうな程高鳴ってく。




首筋に、舜くんの息が当たってるよぉ…。




なんか、き、緊張する…!




規則正しい寝息が私の鼓動を益々高ぶらせていくのに気付き、なんとか舜くんから離れようとしたけど…。




「っ………」



舜くんの小さな舌打ちに、抵抗できなくなってしまう。




「…………………」




結局何もできないまま、時間だけが過ぎていき…。




いつの間にか、私も舜くんの下で眠りについていた。